【株|基礎知識】カバードショートとネイキッドショートの違い

星詠れい
星詠れい

おはこんばんにちわ🎵

この記事ではショートセリングに関して書いていきます。
いわゆる空売りのことですが、これには様々な要素があるようなのでしっかり調べてみて考察をたててみたものになります。

よろしくお願いいたします。

はじめに

空売りについてまとめてみました。
空売りというのは「ショート・セリング」のことです。
世界中のどこにでも起こっていることであり知っておいて損はない知識だと思います。
これは本来は参考にはしないほうがいいですが、日本の相場ではこういう事になっている可能性があると考えてみてもいいかもしれません。

星詠れい
星詠れい

星詠れいは株に関しては2024年の7月からスタートであり、
まだまだ勉強中の身であることをご了承ください。

株式取引に関連する総合まとめは以下のサイトで紹介させていただいています。

ショートセリング

一般的には空売りのことを指し示しています。
個人投資家でいうならば、信用売りと同じですね。

ここで、気になったのが株の取引において、売買が成立した際の証券会社として行われるやり取りについてです。
実際に株の受け渡しが行われることによってここで初めて株をやり取りすることになるからです。

受渡日と約定日

売買が成立した場合、約定日から2営業日後が受渡日となり、証券口座で精算が行われます。

買い注文…約定日から2営業日後に購入代金を引き渡して、株式を受け取ります
売り注文…約定日から2営業日後に保有株式を引き渡して、売却代金を受け取ります。

ここで注目するのは売り成立注文に関しては、2営業日後に保有株式を引き渡す必要があります。
保有株式というのは手持ちにある株で引き渡す時になくてはなりません。
空売りの場合は引き渡すための株はどこかからか借りないといけません。

ここに注目してストーリーを作ってみました。
基本を7Stepとして考えてみましょう。

空売りの指示をして、株を借りる
※株を借りる(ヘッジファンド側)

対象となる銘柄の株を保持しないと売ることができないので、どこかから対象となる銘柄の株を借りることになります。
日証金や証券会社などから株を借りて売りの契約を結びます。
その際には、保証金や代用を担保にして証券会社から株を借りることになります。

先に株を確保しておくことによって、証拠となる株の受け渡しを安全に行うことができます。

空売りをして、売り建てポジションを作る
※約定

そして価格の下落を予測している株を売り、ショートポジションを保有します。
売り建てを約定し、売り建てポジションを保有します。

T+2の受渡日に株を渡して、売却代金を受け取る
※受け渡し

約定したその日から2営業日後に、証券会社側で精算がされます。
借りた株を証拠に借りた株を渡す形で受け渡しが成立することになります。

以後は、手持ちに株がない状態です。
しかし、株を借りているのは変わりないのでStep.4で貸株料が発生し続けることになります。

売り建て玉の保有時、貸株金利を支払う
※ポジションキープ

株を借りている間は貸株料が発生し、証券会社別に変わりますが年利で1.0%~5.0%となっていることが多いです。
貸株金利の高い銘柄だと10%を超えるところもあり、外資系の貸株レンディング市場では30%を超えていることもあるらしいです。
保有期間は様々ですが、制度信用であれば6ヶ月で、一般信用であれば無限にできるところもあるようです。

反対売買の返済買いをする
※約定

その銘柄の株価が下がった時に買い戻していきます。
売り建てポジションの反対売買で、返済買いを約定していきます。

T+2の受渡日に株を受け取り、購入代金を支払う
※受け渡し

約定したその日から2営業日後に、証券会社側で精算されます。
株を購入することになったので、株を手元(仮)に渡ってくることになります。

以後は、手持ちに株を持っている状態になります。

株を返却して、利益を得る
※株を返却する(ヘッジファンド側)

受け渡しして手元に戻ってきた株=借りていた株を証券会社や日証金に返却します。
値下がりを期待して空売りなど売りの持ち高を取っていた金融資産を買い戻すことで決済します。
これをショートカバーと言います。

空売りした時点で500円の株価が付いたときに、500円の売却資金を手にする事ができます。
それ以降買い戻すまでは貸株料が少しずつ付いてきます。
年10%として半年保有した場合は運用資金として25円とします。
半年後に200円の株価が付いたときに、200円の購入資金を渡して株を買い戻します。
そうすると、500 – 25 – 200 = 275円の利益を得ることができます。

この流れとなるものがショートセリングと呼ばれるものになります。
ショートセリングとはいっても、2種類分類することができます。
それが、
・カバードショートセリング
・ネイキッドショートセリング
の2種類になります。

カバードショートセリング

用語:カバードショートセリング

covered short selling
covered:守られた、安全な、保護された
日本語訳:裏付けのある空売り

実際に株を保有または貸株レンティング市場から借り入れておき、受け渡しの証拠となる株を持った状態で、空売りを行う方法です。

証拠となる株を保有していることで受渡日に渡せる株を保有(手当て)している状態のまま売り建てている形になります。
ちゃんと株を借りていてそれを元に該当銘柄を売って、売り建てているわけです。
一般的にはこちらのやり方は正常ですし、正当な手続きをもって売買をしているのですから大して問題にはなりません。

この使い方としては加熱しすぎた株を冷やして適正株価に戻すための空売りに使われるのであればそれが普通です。
こういう使い方で収益を得ることは特に問題になることはないと思います。

これは前述するショートセリングのタイムラインの流れと全く一緒で問題ありません。

ネイキッドショートセリング

用語:ネイキッドショートセリング

naked short selling
naked:裸
日本語訳:裸の空売り

実際に株を保有せず、実際に証券会社や日証金から該当の株を借りない状態で、受け渡しの証拠となる株を後から調達しておいて、先に空売りを行う方法です。

実際に株を保有せず、実際に証券会社や日証金から該当の株を借りない状態で、空売りを行う方法です。
株に関しては実際に空売りした後に受渡日までに貸株レンティング市場から探して借りておけばいいですからね。

ネイキッドショートセリングは「証拠となる株がなくても売れる」ので、市場に出回っている株式枚数と関係ありません。
「貸株はあるはずだろう」という不確定なポジションで、先に証拠となる株のない状態での売買になります。
これが問題となることがあります。

間違っている可能性もあるので鵜呑みにしないでね

これは株取引での慣習を基本として考えた場合での違和感を書いていきます。

STEP.1(ネイキッド特有)
空売りの指示をして、株を借りない
※株を借りない(ヘッジファンド

株を借りずに売りの契約を結びます。
ブローカーに空売りの指示を出します。
もちろん貸株レンティング市場から株を借りていない状態です。

STEP.2
空売りをして売り建てポジションを作る
※約定

証拠となる対象の株を持たない状態で、そして価格の下落を予測している株を売り、ショートポジションを保有します。
売り建てを約定し、売り建てポジションを保有します。

STEP.2-Part2(ネイキッド特有)
貸株レンティング市場から株を探す

このままだと株を引き渡す際に、証拠となる株の保有がない状態となってしまいます。
期限はT+2の受渡日までとなります。
そのため売り建てて以降は引き渡すための株を貸株レンティング市場から探すことになります。
貸株レンティング市場に株があるうちは、これが可能でしょう。

本来これは違反行為であるのです。
しかし、日本ではこれが許されてしまっている状況になっている可能性は高いでしょう。

STEP2-Part3(ネイキッド特有)
貸株が残っていたらそれを借りて保有する

受渡日までに引き渡すための株を貸株レンティング市場で探します。
株が市場に売りに出されておらず見つからない時は次の受渡日で契約不履行となってしまいます。
だからなんとしても、探し出してくることでしょう。
なんとか株を確保したら、次のStep3で株を引き渡すことが可能になります。

STEP.3
T+2の受渡日に株を渡して、売却代金を受け取る
※受け渡し

約定したその日から2営業日後に、証券会社側で精算がされます。
なんとか貸株レンティング市場から借りれた株を証拠に借りた株を渡す形で受け渡しが成立することになります。

以後は、手持ちに株がない状態ですが、株を借りているのは変わりないのでSteap4で貸株料が発生し続けることになります。

STEP3-Part2(ネイキッド特有)
株を渡せなかったら、契約不履行となる

渡す株がなく、その先での受け取る側の人たちが正常に株を受け取ることができなくなってしまいます。
以上を持ってここで契約不履行となり違反行為が発覚してしまうことになってしまいます。
※契約不履行となった以降の動きはちょっと良く知らないのでごめんなさい。

契約不履行:failure to deliver(フェイリャー・トゥ・デリヴァー)

STEP.4(ネイキッド特有?)
売り建て玉の保有時、貸株金利を支払う
※ポジションキープ

株を借りている間は貸株料が発生し、証券会社別に変わりますが年利で1.0%~5.0%となっていることが多いです。
貸株金利の高い銘柄だと10%を超えるところもあり、外資系の貸株レンディング市場では30%を超えていることもあるらしいです。

無事保有は出来ている状況なので、貸株金利を支払いながらも売りポジ維持し続けている状況になります。
本当に支払っているのかすら怪しいですが、そういうことにしておきましょう。

STEP.5
反対売買の返済買いをする
※約定

その銘柄の株価が下がった時に買い戻していきます。
売り建てポジションの反対売買で、返済買いを約定していきます。

STEP.6
T+2の受渡日に株を受け取り、購入代金を支払う
※受け渡し

約定したその日から2営業日後に、証券会社側で精算されます。
株を購入することになったので、株を手元(仮)に渡ってくることになります。

STEP.6-Part2(ネイキッド特有)
受け渡し不可の時が発生する可能性がある

もしネイキッドして、手当をするための株を借りれずに、受渡日に株を渡されていなかった場合を考えてみます。
ここで買った人々側が受け取る株についてはもらえないということになります。
(売り方の株が渡されておらず、買い方に渡せる株がないから)
STEP.3で契約不履行が起こったら。このSTEP.6で貰えるはずだった人々が株を持てないということです。

STEP.7
株を返却して、利益を得る
※株を返却する(ヘッジファンド側)

受け渡しして手元に戻ってきた株=借りていた株を貸株レンティング市場のどこかの借りた会社に返却します。
これがネイキッドショートセリングとしての流れとしての形になります。

ネイキッドショートセリングの末期状況

トンピンさんが気になるポストを建てていたので、考察してみます。

次のポストは違う銘柄ですが、ヒントとなるような言葉がありました。
T+2ルールのことです。

用語:T+2ルール

約定日の2営業日後に決済すること。
Tは「Trade date」のことで証券や外国為替の売買が成約された日(約定日)を指します。

T+2は約定日の2営業日後の受渡日ということになります。

おそらくですが、これは証拠となる株の受け渡しが正常に行われないと契約不履行となってしまうことからのメッセージなんじゃないかなと思います。
無理したら2日以内に買い戻しというのは、おそらくT+2ルールが関係してそうかなと思います。
ある特定の日にいつも以上に空売りを仕掛けすぎて空売り残が急増した場合は、他の2社の株の受け渡しの際に証拠となる株の保有量が少なくなってしまうことからその2社が契約不履行となってしまうので悪行がバレてしまうことかなと思案しました。

例えば、貸株レンティング市場に1株も出ていない状態ということは残る手段としては証券会社が自己で持っている株を貸株として使われることでの空売りするための株として使うしか残されていません。
貸株レンティング市場に出ないということはそういうことです。

そして3社それぞれが保有している該当の株を10万株、20万株、50万株として、合計80万株が残された貸株としましょう。
80万株が3社それぞれが空売りをするために使える量とします。
日々20万から30万株程度で3社それぞれが空売りをしながら買い戻しもセットでやり繰りしていく中で、ある日突然急激に空売り量が増えて60万株や70万株になったとします。
そうすると、他の2社は少ない量(10万株や20万株)で空売りしなきゃいけなくなりますし、それを超えた量になると証券会社の手持ちの株より多い量の空売りをしていることになるので、受渡日で証拠となる株が足りなくなります。
2日後の相場で60万株や70万株の多くの部分で反対売買をして空売りポジションを減らしておかないと他の2社が新規に空売りポジションを建てれないことになります。

売り建てポジションを建てたヘッジファンドが証券会社に渡す事になっている株が足りなくなり、受け取る予定であった人々が株を受け取れなくなってしまいます。
受け取る人たちは信用買いで買った人であれ、現物買いで買った人であれ関係ありません。
特に現物で買った人たちに渡せる株がないとなると異常事態が発生します。
こういう形になると契約不履行&契約違反ということになります。

星詠れい
星詠れい

上記記述は間違っているかもしれないし、あくまでも想像してみて考えられる事例を書き出してみたものになります。
参考程度に留めておいて下さい。
いずれにしてもこれを許される市場なら、空売りし放題なのであまり良くはないですが…。

そこで更にバレないようにするというのは、実は日本ではあるんです…。
本当に日本の相場というのは闇が深いと思います。
次のようにトンピンさんは仰っています。

貸付残に出ない空売りも存在する!

実は協会に入っていないところがある場合、それらが空売りをしたとしても空売り報告に出ることはありません。
協会というのはおそらくですがここでしょう。『日本証券業協会(JSDA)』かな?
もしくは『日本証券金融株式会社(日証金)』『日本取引所グループ(JPX)』です。
まさか!と思うかも知れませんが、現実的に存在するらしいです。

なので日々銘柄を良く注目してみると、空売りの量と報告に出てくる貸付残や売り残の量が一致しないことが多いのです。
これが日本の現状なんでしょうね。
だからトンピンさんはよく言ってるようです。

日本はネイキッド天国だと。

つまり、協会の報告に出ていない空売りも実在しているということです。
手当てのある空売りというのは「カバードショートセリング」のことですが、ちゃんと手当てがあっても貸株残の数値としてカウントされない場合があるそうです。
貸株残が全てではなく、貸株残は日証金の協会に該当の証券会社や機関投資家が入会しているからデータとして出ているだけに過ぎません。
この協会に入っていなければ別に報告しなくても良いということです。
だから実態としてはもっと多くの空売りを仕掛けられている可能性だって高いでしょう。

以下のポストで「あの数字が機関の都合と、どれほど当てにならない物か」という意味深なメッセージを残されていましたが、おそらく上記に書かれてある通りに協会の報告に出ていない空売りも実在しているから当てにならないということを示しているんじゃないかなと考えられます。

日本での空売り事情

これにはびっくりしたのですが、日本ではネイキッドショートに対する規制が2025年時点ではまだ緩いそうです。
表向きでは2008年にネイキッドショートセリングについては禁止されていることは公表されているものの、規制をすり抜けていくヘッジファンドが多いようですね。

韓国では深刻さに気付いていて、ネイキッドショートに対して監視するシステムを設置するそうです。
これですら2024年の6月以降からですからね。
また、元々海外の相場はネイキッドショートに関しては規制が厳しいそうでそもそもネイキッドショート自体が出来ないようにはなっているらしいです。

用語:PB

プライムブローカーのこと

空売りの報告義務について

空売りに関する報告義務は、証券取引法第162条第1項などに規定されており、一定の空売り残高がある場合に証券会社を通じて取引所に報告する必要があります。

【空売り残高報告義務の内容】
約定日の翌々営業日の午前10時までに報告する
空売りをした指定有価証券に係る残高情報と、商号、名称又は氏名、住所又は所在地を報告する
空売り残高に変更が生じた結果、報告水準に達したときや変更報告水準を下回ったときも、変更報告する

【空売り残高報告義務の対象】
発行済株式総数の0.2%以上の空売り残高がある保有者

【空売り残高報告義務の公表】
空売り残高割合が0.5%以上となる場合、
取引所により空売り残高情報の公表が行われる

【空売り規制の目的】
大量の空売りが行われることにより、公正な価格形成に支障を及ぼす恐れがあることを防ぐため

報告窓口

証券の取引でおかしなことが起こっているなと感じたならば、ちゃんと報告はすべきです。
それが以下のサイトになります。
証券取引等監視委員会という団体になります。
しないよりはましなのでちゃんと報告はしておいていいと思います。

ネイキッドショートに関する外部記事

アメリカの証券決済期間

2024年5月28日(火曜日)以降は「T+1」に短縮されたそうです。
取引成立が「T+2ルール」から「T+1ルールに」変更とのことで、営業日が1日短縮しました。

これにより取引成立後の決済で証券と資金のやり取りをする際に、相手証券会社が破綻し決済できなくなるといったリスクを軽減することが可能になりました。

このルールを導入することにより、おそらくですがネイキッドショートセリングがやりにくくなっている可能性は高いです。
ネイキッドショートセリングは決済までに株券を見つけて借りればいいのですが、それが1日短縮されているのでそもそもそんな時間が取れるわけがないと思うのでネイキッドショートセリングに対しては有効で、カバードショートセリングをちゃんと成立させた取引が健全に行われるかもしれません。

おわりに

とまぁ、様々なネイキッドショートセリングに関して、考察でしかないのですが流れと異常さを書いてみました。
こうやってみるとネイキッドショートというのはバレなければ好きな具合にたくさんの空売りを仕掛けて、個人投資家たちの心理をマイナス方向に仕掛けさせて株を手放させる悪質な行為とも言えると思います。
こういうネイキッドショートは正常な売買と言えることはできず、規制はやはりあってほしいものです。

市場の正常化を本当に望んでいるので、早い段階で望ましい相場となってくれたら良いなと思い終わりとします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

星詠れい
星詠れい

ネイキッドの存在だけは知っておきましょう。相場では狼狽えずにね!

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株式取引 まとめ

株で大切な基本

株の基礎知識

株の考察

株の選定

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星詠れい
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トンピンさんのポストを基本にして、株に関連する全ての出来事を勉強中の身です。
市場の健全化にひとつの助けとなれば幸いです。
よろしくお願いします。
株についても追加で書き始めてみました。

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